自分史と戦争体験の記録(編集中)

1,2025年に迎える戦後80年を前に、所属している一般社団法人自分史活用推進協議会では「今に残り(今のこ)戦争体験」を書き残す【今のこプロジェクト】を始動しています。2025年8月に本として出版する予定です。

 2023年6月23日に北九州市若松区に「北九州平和資料室TICO PLACE」をオープンさせた管理人 小松芳子さんの自分史を聞き書きさせていただきました。

 

2,私は2008年(平成20年)から11年間、神奈川県座間市立東地区文化センター主催事業である高齢者学級あすなろ大学の担当社会教育指導員を務めていました。あすなろ大学は1988年から毎年開催され、今なお継続している生涯学習学級です。あすなろ大学で自分史や郷土史を活発に学んだ受講生や卒業生が1998年に「くらしの視点でみた昭和 戦争の時代 1」をまとめました。

その後、1999年に「くらしの視点でみた昭和 敗戦・そして戦後 2」、2000年に「くらしの視点でみた昭和 戦争と平和 3」、2002年に「くらしの視点でみた昭和 続戦争の時代 4」、2003年に「くらしの視点でみた昭和 敗戦そして戦後 5」「くらしの視点でみた昭和 激動の時代 6」、2005年「くらしの視点でみた昭和 戦後60年 7」と続いて冊子化していました。

この冊子は

私はこのあすなろ大学で、この冊子を読むこと、講座化すること、実際に戦争体験者からお話をきくことから戦時中の暮らしや思いを知りました。東地区文化センター図書館の「あすなろ文庫」に収められています。

 

3, 高齢者学級あすなろ大学の受講生の戦争体験者の割合は年々低くなっていきましたが、「先輩方がまとめてこられた戦争体験の記録をつないでいかなければならない」という思いが高まり、「くらしの視点でみた昭和」7冊を一つにまとめ、復刻版を発行することになり、2013年(平成25年)に発行しました。受講生が主体となっての活動でしたが私も担当として関わることができました。この復刻版も東地区文化センター図書館の「あすなろ文庫」に収められて、どなたでも閲覧可能になっています。

 

4,あすなろ大学の受講生は大航海ゼミナールという調べ学習を実践しており、様々な学習テーマをもつグループがあります。そのひとつに「ある戦争体験の手記」をもとにしたグループができ、私も加わりました。その手記とは桜井静子さんの「この命の限り」と題された手書きの自分史でした。

1945年終戦後、北朝鮮から臨月の身重な体で北緯38度線を超え、韓国で女児を無事に出産、そしてすぐに引き揚げ船に乗り博多港へ、長野へとたどり着いたという壮絶な戦争体験史でした。桜井静子さんはあすなろ大学の受講生桜井さんの兄の妻というご縁でした。私達グループは長野県蓼科に静子さんの娘さんに会いにいき、この手記を冊子にまとめさせていただく許可をいただきました。その後、パソコンで入力し、地図や地名の説明、グループメンバーの感想も入れた冊子『この命の限り 戦後七十四年目引揚げ記録』を発行しました。

あすなろ大学では今も朗読やまわし読みを実践されています。